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院長のつぶやき

健康診断を受けるとしたら、その検査は必要ですか?

「けんしん」には、健診と検診があります。
健診は、 健康診断・人間ドックなど健康状態の確認が主目的です。
検診は、癌検診など特定の病気の早期発見が主目的です。

【検診で受けてよい検査】

1.血液検査
健康状態の把握と生活習慣病 (三代疾病 ①高血圧症 ②糖尿病 ③高脂血症で②③)の発見につながる

2.便潜血検査
大腸癌の発見のきっかけになる

3.消化器(胃・大腸) 内視鏡検査
咽喉頭・食道・大腸癌の早期発見が可能である
65才までに一度検査し、問題となる所見がなければ、
胃カメラは、3~5年に1回、
大腸カメラは、5~10年に1回が目安となる

4.超音波検査
非侵襲的に肝臓・腎臓・膵臓・甲状腺などの臓器の観察が可能である

5.肝炎ウイルス検査
自覚症状なしに感染していることがある
肝硬変や肝臓癌を誘発しうるウイルスのチェックをする

6.HPV(ヒトパピローマウイルス) 検査
子宮頸癌に感度が高い

【検診で受けなくてよい検査 】

1.胃バリウム検査
早期の食道癌・胃癌の見落としが多い
ただし、胃壁を病巣が拡大するスキルス胃癌の発見には有用
腸閉塞・大腸穿孔を誘発する恐れがある
放射線被爆による二次癌発症のリスクが高まる
血液検査(Hp抗体・ペプシノゲン)による胃癌リスクを評価するABC検診が、 胃の健康状態の確認に有用

2.PET検査
健康な人でも偽陽性を示すことが多く過剰医療につながる
ただし、癌の手術後の転移の検出には有用

3.腫瘍マーカー検査
健康な人でも偽陽性を示す確率が高く癌の見極めができない
ただし、癌の手術後の治療効果の判定や再発がないかの判断には有用

4.胸部レントゲン
精度(解像度)が低いため、 初期の肺癌の発見が困難
低線量CT検査が有用

5.脳ドック
過剰医療につながる

6.PSA検査
過剰な検査につながる
前立腺癌の発見率が高いが、死亡率の減少の証明がないとされる

〔まとめ〕

○体調が良い時には、 最低限の血液検査だけにする
○健康状態を確認する健診は、なるべくさける
○病気を発見する検診は、 性別・年齢ごとに変えるなど適切な判断が求められる
○特に高齢者の癌検診は、検査によるデメリットが多い為、推奨しない
○職場健診は、労働安全衛生法により強制されている為、受けなければならない